理事長所信

一般社団法人 会津坂下青年会議所

2023年度 理事長所信

理事長 田部 遼介

はじめに

私たちは、ひとりでは生きていくことができません。

そのために、暖かな家族を持ち、友人や仲間、多くの人々と一緒に共同体を作り、助け合って生きてきました。

私たちの共同体を次の世代に繋げていくには、何をすれば良いのでしょうか。

それはきっと、小さなことから始めればよいのではないかと思います。

地域の課題を少しでも考える方が増え、その解決のために一歩を踏み出す方が多くなれば、自ずと地域はより良くなる。

青年会議所は、そのために創立され、これからもそのためにあり続ける。

私はそう信じています。

青年会議所の理念とは

3年以上の長期に渡るコロナ禍では、人が集まることが敬遠され、地域のお祭りや行事が縮小されてきました。

そんな今だからこそ、青年世代である私たちが共同体の重要性を理解し、説いていくことが必要ではないでしょうか。

なぜなら、私たち青年会議所はそのような理念を掲げているからです。

私たちは日本の青年会議所として、不変の綱領を掲げ10年ごとに見直されるJC宣言文をすべての方々に向けて宣言しています。

そのJC宣言文では、私たちは持続可能な地域をつくることを宣言しています。

当たり前ですが、持続可能な地域はそこに住まう人々がいなければつくれません。

私たちは人々の集まり=共同体がよりよくあり続けるために率先して行動しなければならないのです。

上記の想いを強くさせてくれた出来事がありました。

2年前、私が新型コロナウィルス感染症の濃厚接触者となり、2週間自宅待機となったことがありました。

人と会うことなどもってのほか、食料を求めて外に出ることも気晴らしの散歩も許されませんでした。

そのような中でも、父母が食料を届けてくれたり、妻とWebで話すことができたり、人との繋がりのおかげで生き延びることができました。

人はひとりでは生きてはいけません。そのために共同体を創り、保守し、命を繋いできました。

私たち青年会議所は、共同体の繋がりを大事にし、強めるために率先して行動していきます。

JC宣言文に掲げられた理念では、多様性を大事にしよう、ということも謳われています。

多様性はなぜ大事なのでしょうか。

私たち人間は自分の所属する共同体の考え方に影響されやすく、考え方が凝り固まってしまいがちになります。そのため、共同体をより良くしたいと考えるのであれば、新しい人や考え方との出会いや、知識をアップデートしていく必要があります。

2022年度、当青年会議所は月一回自己研鑽等のために開催する定例会をスマートアップデートゼミという形式で開催しました。地域におけるファーストペンギンになるため、自身の興味のあること、常日頃学習している分野の最新の知識や考え方を改めて学習し会員に対して発表するという形式でしたが、準備の段階はもちろん、定例会本番に会員から様々な意見や質問が飛び出し、正直想定していなかった質問等もあり、改めて多様な人が集まることで様々な意見が集まることを実感したことが新鮮でした。

青年会議所は職業も住所も異なる会員が集い、福島県内はもちろん全国、世界に繋がることのできる団体であり、その繋がりを生かして共同体をよりよくしていけるはずです。

共同体がよりよくあり続けるということが、ひいては明るい豊かな社会に繋がると信じています。

自己を高めより良い変革をもたらす人財の育成

青年世代の学び舎として、JCしかない時代は終わり、JCもある時代になったと言われます。

さらにオンラインサロン等の時間も場所も関係ない学びの機会が多くある時代になって、究極のオフラインサロンといえる青年会議所の存在意義はあるのでしょうか。

私はリーダーシップとフォロワーシップを学ぶ機会が多くあることに存在意義があるのではないかと考えています。

そう思うようになったきっかけは2020年の講師をお招きした定例会において、フォロワーシップを学んだことでした。

その定例会ではとある海外の野外音楽イベントの動画が流れました。

その中では一人の観客が音楽に合わせて楽しそうに踊りだししばらく一人で踊っていたところ、もう一人がその踊りに合わせて踊り出しました。すると周囲の人たちも次々と加わり、大きな輪となったのです。

何かのきっかけを起こすために運動を始めるリーダーだけではなく、それを支え、ともに運動を広めるフォロワーも同じくらい重要だというのがその定例会での学びでした。

青年会議所は一年おきにリーダーとなったり、それを支えるフォロワーとなったり、組織を一から作り変えてでも機会を提供する他にない団体です。

リーダーシップとフォロワーシップを始めとする様々な学びの機会を、青年会議所は提供し続けていきます。

繋がりによる心豊かな青少年の育成

地域のこれからを担う青少年の健全育成の機会を創り出すことは、青年会議所の使命であり、中

心的な事業でもあります。

私自身振り返ってみると、小学生の時に三島町の森の校舎カタクリでの宿泊体験や新潟県でのキャンプなど、同じ年頃の青少年同士での体験を数多くさせていただきました。

それらは劇的に何かを変えることではなかったのかもしれませんが、絆を育むことやお互いの地域を知り合うことなど、大切なことを教えてくれました。

また、これまで諸先輩方が繋いできたわんぱく相撲という事業は、対戦した相手への感謝や礼に始まり礼に終わる姿勢等大事なことを教えるきっかけを創る事業であり、今後も同じく続けていくべき事業です。

しかしながら、新型コロナウィルス感染症の影響もありこれまでと同じようにはいかない部分ももちろんあります。

残すべきところを残し、今の情勢に合わせてよりよい事業にしていくことが必要です。

また、地域を繋げるシンボルとしての只見線の再開通を契機に、会津坂下青年会議所と友好JCである魚沼青年会議所の繋がりを生かした青少年交流の機会を持つことなど、青年会議所の横の繋がりというメリットを生かして地域の青少年に大切なことを気付かせるきっかけを持っていきたいと考えています。

地域の課題を見つけるために

JC宣言文をはじめとする理念は、青年会議所としての最終的な目的、ゴールです。

しかし、その目的は最低でも10年先を見据えたものであるため抽象的で分かりにくくなってしまっています。

そのため、単年度制である青年会議所は短期目標である理事長の所信を定め、最終的な目的にたどり着くための具体的な解決策を実践してきました。

とはいえ、連綿と続くこの仕組みを有していても、地域の方々に青年会議所の目的や目標が伝わりにくいのも事実です。

私自身、青年会議所の所属ではなく商工会青年部の所属と間違われることも多く、地域の方々にとっては区別がついていないのも事実です。

地域の方々が思い描くあるべき地域の姿は何か。そこにどのような課題があるのか、そしてその実現のために青年会議所がどのような役割を果たしていくべきなのか、地域の方々と青年会議所の会員同士が話し合いながら探していく機会を持つことが必要だと考えています。

最後に

青年会議所のOBで豊富な経験を持つある方と青年会議所の新しいキャッチフレーズについてお酒を酌み交わしながら話し合ったことがありました。

その際に一番印象に残ったのは、青年会議所とは「ぼんくら息子がよみがえるところ」というキャッチフレーズはどうだろうという話でした。

青年会議所に入会している、そして入会候補となる方は志が高く品格溢れる青年であるので不適切な例えだと思います。

しかし、私個人は全く出来の良い息子ではなく、とても共感するキャッチフレーズだと思いまし

た。私はつい怠けてしまうこともありますし、忘れっぽい人間でもあります。

そのようなぼんくら息子である私も青年会議所へ入会させていただくことで礼儀作法から立ち居振る舞いなど人としての基本的なことから多くの事業経験やチームビルディングの機会まで様々な経験をさせていただき、大きく成長させていただきました。

地域の共同体がよりよく続いていけるように、この青年会議所も改良を続けていかなければなりません。

そのためには多くの仲間や協力してくださるパートナーが必要です。

青年会議所の運動や活動を続けていくため、皆様のご協力をどうか、お願いいたします。

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